CTRとは、Click Through Rateの略で、クリック率のことを指します。
コンテンツや広告が表示されたときに、どれくらいの確率でクリックされたかを示すものです。
CTRはWebマーケティングにおいて、成果を測る重要な数字です。
中でもSEOはオーガニック検索からの流入を増加させることを目的としているので、CTRの良し悪しがダイレクトにつながります。
しかし、具体的なCTRやキーワード別の傾向などを把握できていない方も多いのではないでしょうか。
今回は、CTRとSEOの関連性やCTRを上げるための改善策などを紹介します。
Contents
□CTRとSEOの関連性
CTRについてよく疑問を持たれるのが、「SEOとの関連性はあるのかどうか」です。
結論、Googleでは「CTRが上がれば検索順位が上がる」とは明確にされていません。
しかし、影響する可能性がゼロということではありません。
Googleのランキングシステムでは、AIがユーザーにとって有益なサイトを評価し、検索順位を決めています。
そのため、AIが「このサイトは多くのユーザーが興味を持っている」と判断すると、結果的に検索順位も上がるかもしれません。
ただ、意図的に自社のサイトを頻繁に検索し、クリックするのは避けましょう。
□Googleサーチコンソールを利用して想定CTRを計算する方法
順位ごとのCTRは、「クエリ特性」と「リスティング広告の表出率や数」の変数によって大きく変わります。
例えば、「鍵をなくしたので、すぐに業者に連絡したい」という緊急性が高いクエリがあるとします。
そうすると、1位のCTRが非常に高くなり、2位以下のページがほとんど閲覧されない可能性があります。
逆に、「渋谷のおいしいイタリアンを知りたい」という比較検討のクエリなら、さまざまなサイトを見て検討する方が多いので、2位以下でもCTRは高くなります。
以上のことから、サイトごとに目指すべきCTRの平均値は変わります。
そこで、Googleサーチコンソールを利用して自社サイトの検索結果経由のCTRを求めましょう。
ここでは、「Search Analytics for Sheets」というGoogleサーチコンソールの全量データを抽出できるスプレッドシートのアドオンを使用した方法を紹介します。
1.Search Analytics for Sheetsをインストールする
Search Analytics for Sheetsのページを開き、その中にある青色の「インストール」ボタンをクリックし、インストールします。
2.Search Analytics for Sheetsを起動し、APIリクエストを投げる
新規のGoogleスプレッドシートを開いて、上のバーにある「アドオン」をクリックします。
そうすると、「Search Analytics for Sheets」の欄が出てくるので、「Open Sidebar」をクリックします。
スライドバーを開いたら、分析するサイトと期間を選択し、グループ指定のところに「Query」と「Page」を入力します。
ここまでの準備ができたら、「Request Date」を押し、スプレッドシートがデータを抽出してくれるのを待ちます。
抽出が完了すれば、自動的にデータを提示してくれます。
3.散布図とトレンドラインを描画
CTRとPositionの箇所でグラフを作ります。
「挿入」から「グラフ」でできます。
そして、グラフの種類を「散布図」にし、横軸を順位、縦軸を掲載順位にします。
「カスタマイズ」でトレンドラインにチェックを入れ、グラフ種類を「対数」にします。
さらに、散布図の見た目を整えるために、トレンドラインの色を見やすいものに変更し、ポイントサイズを小さくします。
ラベルは、「方程式を使用」に変更し、散布図は完成です。
4.想定CTR率を算出する
掲載順位の隣の列に方程式を入力します。
先ほどグラフのカスタマイズでラベルにしたものです。
方程式を入力したら、セルの一番下まで引っ張ると自動で列全体を計算してくれます。
以上で、自社サイトの順位ごとの想定CTRを算出することができます。
□キーワードによってもCTRは変わる!
どのキーワードを選ぶかによっても、CTRは異なります。
ここでは、4つの視点からCTRについて見ていきましょう。
*ブランドキーワードと非ブランドキーワード
ブランドキーワードは、非ブランドキーワードと比較すると、1位・2位でのCTRが高くなりやすいです。
「ブランドキーワード」とは、会社名や特定の商品、サービス名を含むキーワードを指します。
例えば、「Amazon」や「Apple iPhone」などです。
一方、非ブランドキーワードは「マーケティング 方法」や「スマートフォン」などのブランド名を含まないキーワードを指します。
ブランドキーワードのCTRが高い理由は、ブランドキーワードで検索する場合、公式サイトやサービスサイトなど特定のコンテンツを目的に調べることが多いからです。
*キーワードの数
キーワードの数が多ければ多いほど、CTRは高くなります。
多くの場合、2語~4語のキーワードが、CTRが高くなる傾向にあります。
例えば、「ジーンズ」という1語のみのキーワードより、「ジーンズ メンズ」というように2語キーワードの方が1位以外では検索される可能性が高いのです。
なぜなら、キーワードの数が多いほど、ユーザーの検索意図がはっきりするからです。
検索する際、自分が求めている情報が欲しいので、上位サイトかどうかは気にしませんよね。
順位に関係なく、自分が必要とする情報が載っているページをクリックするので、2語以上のキーワードを設定することが求められるのです。
*検索意図
CTRは検索意図によっても変動します。
一般的に、購買系のキーワードの方が情報検索系のキーワードよりCTRは高くなります。
購買系キーワードとは、商品やサービスを購入したいという意図のあるキーワードです。
情報検索系キーワードは、何か疑問や悩みを解決するために検索されるものです。
情報検索系のキーワードは、サイトにアクセスしなくても疑問を解決できるため、購買系キーワードよりCTRが下がるのです。
*ジャンル
例えば、ビジネスジャンルと教育ジャンルでは、各順位のクリック率に大きな差があります。
このように各ジャンルの順位別CTRにはバラツキがあるので、ご自身のジャンルがどれくらいのCTRかを確認してみましょう。
□SEOでCTRを上げるための改善策
CTRが思うように上がらない場合、どのように改善すればいいのでしょうか。
*SEOタイトルを興味深いものにする
SEOでCTRを高くするために効果的なのは、「興味を引くタイトルを設定すること」です。
タイトルには、ページの内容が一目で分かるタイトルを設定する必要があります。
加えて、ユーザーが「見たい」と思うような興味を引く魅力的なタイトルであることもポイントです。
疑問形にしたり、数字を入れて具体性を持たせたりすることで、効果的なタイトルにすることができます。
*強調スニペット向けにコンテンツを最適化する
「強調スニペット」とは、はっきりとした回答が想定される質問を含んだキーワードで検索したときに、検索キーワードに対する簡潔な回答をGoogleが検索結果の最上部に強調して表示するシステムのことです。
これは、SEO中上級者向けにはなりますが、正しく適切な形で対策することができれば、最もCTRが高い検索順位よりも上位に自社のサイトを表示することも叶います。
また、強調スニペットは音声検索への対策にもなります。
各々のページで強調スニペットに対してコンテンツを最適化することで、CTRに繋がるでしょう。
□まとめ
CTRは軽視されてしまいがちですが、順位を上げるのと同じくらい重要なものです。
CTRを改善することで、トラフィックが増えたり、順位を上げたりすることができます。
ユーザーが興味を引くようなタイトルにするのが最も効果的で、簡単にできる改善法です。
なかなかCTRが上がらないという方は、まずはタイトルを見直してみましょう。
また、CTRを計算する方法も紹介しましたので、どのようなキーワードがクリックされやすいかを分析し、適切なキーワードを選びましょう。