ーライターとしての仕事を始めた頃はどんな事をしていたんですか。
最初は他のライターさんと変わりません、企画書に沿って書いていくという事をやっていました。当時は、結構しんどい部分もありました。というのも、自分の業務だけを見てると、どうしてこれをしているのか疑問を感じてしまう時があったので。
変わったのは2か月位働いた頃、今している業務が会社全体の中でどういう意味を持っているものなのか考えた時、クライアントのお客様に届く文字そのもの、サービスの商品をダイレクトに作っている部分なんだと気付きました。そこからは、最終的な消費者にメリットになるよう、良い記事を書きたいと思うようになりました。
ーいつからライターから編集部という立場になったのですか。
編集部に入ったのは3月ですね。京都の編集部の方にお声かけ頂いて。期待をかけて下さること自体嬉しかったのでお受けしました。
編集部で働き始めて気づいたことは、みんな同じ様には書けないのだな、という事です。自分自身は大学でも英文学科に在籍していて、論理的な文章の構成、どういう風に書いたら伝わり易いかなど勉強して知っていました。
ただ、勉強した経験のないライターも沢山いて、この文章では少し解りづらいな、誤字脱字が多いな、日本語として不自然だな、と思う事が沢山ありました。これまで勉強してこなかったライターの方に書いてもらうために、どうしたらいいのだろう?という事が、編集部に来てからずっと持っている課題ですね。
ー今その課題に対して、どんな取り組みをしていますか。
今取り組んでいることは、ライターへのコーチングです。
僕がリソースとして持っている「文章構成としてはこういう方が読み手は解り易い」「この日本語は不自然だからこうした方がいい」という知識と考え方をお教えしています。
そして、まだ実現はしてないのですが、これからやりたいと考えている事は記事の質でライターの人たちの評価をしていきたいと考えています。
今はどれだけの量の記事を書いたかが一番の評価の軸になっているのですが、ライターの側に立ったら、読み手にとっての読みやすさに対して労力を割くというモチベーションは弱いですよね。
個人の意識のレベルで良い記事を書きたいと思う人は書いてくれますが、そこまでの熱のない人との記事は読み手の感じ方にも差が出ると思っています。
それはReach@のサービスとしてのアウトプットとして、すごくムラがあるような状態だと思っているので、質の高さでの評価を導入することでライター自身も評価され、最終的にはサービスとしてのアウトプットの質が、より高く、均一になってくるんじゃないかと思っています。
ー印象的だった出来事や仕事はありましたか?
最近、住宅売買の仲介をされているお客様がいて、契約内容の記事内容について細かい希望を伝えられました。大体の記事は1、2回書き直せば済むんですが、その記事はそれで納品することは出来ませんでした。
お客様自身で書く方が専門性は高くなります。しかし、それだけサービスを信頼してくださっているのだと思い、3、4回書き直し、ようやく満足いただける記事になったと思い納品させて頂きました。
そのあと「良い感じに書き直してもらって嬉しかったです」という言葉を頂き、自分のやった事がお客様の満足に繋がったのだな、と感じられる印象的な経験でした。
ー今の編集者としての仕事の中で一番やりがいのある事は何ですか。
今いる編集部の前にはライティングチームのリーダーというものをやっていました。ライターを小さなグループに分けて、そのグループの進捗を管理していました。
今もその時も思ったのが「人を動かす事ってすごく難しい」という事です。人それぞれのモチベーションの源が違うので、人によってどういう刺激を与えたらいいのかも違います。
ライティングチームリーダ-の時であれば、どうすればライターの人たちがより多くの記事を書いてもらう事が出来るのか、編集部になってからは、どうすればより質の高い記事を全員が書くことが出来るのか、それを考える事が大きな課題であり、やりがいがあると感じています。
ーこれから編集部としてやっていきたい事はありますか。
今、誤字脱字などの基本的なチェックや、企画書にあっているかについては統一されているのですが、それより先の文章表現。例えば、論理の構成や言葉の選び方を、直すべきなのか、そのままでいいのかというのは、担当する編集者によって個人差があると感じています。
例えば僕があるライターにこうして下さいと言いました、また別の編集者がこうして下さいと言った、みたいな事がたまにあるんです。ライターの立場としてはどっちを聞いた方がいいのか困ってしまうと思うので、そこは統一出来たらいいなと思っています。そしてそれが、納品する記事のクオリティを上げる事に繋がっていくと思っています。
編集部(同志社大学)
大路康輔
大学4回生の就職活動中にキャリア選択への疑問を感じ、就活浪人を決める。その後に入った長期インターンで、サービスの質向上に努める。現在は編集部リーダーとして活躍。2019年4月からはWebマーケティングの会社に就業予定。